プロジェクト紹介

森林性鳥類のモニタリング


さえずり時期のモニタリング


 気候変動により鳥の繁殖時期が変化していることが報告されています。そのうち,マダラヒタキなどでは,繁殖時期と虫の発生時期がずれてしまったことにより,個体数が減少していることが報告されています。日本でもそのようなことが起きているのでしょうか? それを明らかにするために,日本各地の森林にICレコーダーを設置し,さえずり時期のモニタリングを開始しました。

使用している機器


レコーダー
 Olympas Voice-Trekシリーズ
マイク
 オーディオテクニカ AT9904
外部バッテリー
 単1×2個

日の出周辺の3時間と
日没後の1時間をタイマー録音
で記録しています。

埼玉秩父・富士山中湖,北海道富良野,長野志賀のライブ音の聞き取り


 ICレコーダーとは別に,東大秩父演習林と富士山中湖,信大志賀自然教育園からライブ配信されている。音源を聞き取って,鳥のさえずりの季節変化,日変化を明らかにする調査も行なっています。2023年は4月の間は毎朝日の出10分前から1時間後まで聞き取りを行ないます。5月以降は不定期開催です。



        ライブ音源聞き取り調査の参加方法
今年の聞き取り日程
マイクが設置してある
秩父のブナ林内の鉄塔

調査の結果(さえずりの季節変化)


2011年から行っているライブ音源の聞き取りから,過去のさえずり頻度の季節変化と今年のさえずり頻度の変化違いが見えます。



2011  2012  2013  2014  2015  2016  2017 ― 2018  2019  2020  2021  2022  で示されています

ダウンロードはこちら



調査の結果(さえずり時期に影響する要因)----ICレコーダー


各地に設置したICレコーダーを聞き取ることにより,さえずりが活発になる活発になる時期が5月の平均気温と関係が深いこと等が見えてきています。


植田睦之・堀田昌伸 (2022) 森林性鳥類のさえずり時期に気温や降水量が与える影響.Bird Research 18: A63-A70.