カッコウは,日本では高緯度地域や高原などの高標高地に生息して,多種に托卵して繁殖することで有名な鳥ですが,関東の低標高地である武蔵野台地でも生息が確認されています。本来の生息環境よりも温暖な武蔵野に,なぜ,カッコウが分布しているのか?その謎に迫ろう,というのがこの調査・研究プランの趣旨です。板谷さんたちは,武蔵野地域においてカッコウとその托卵相手となる鳥の生息状況をラインセンサスによって調査しようと計画しています。農耕地の鳥が減少しているヨーロッパでは,カッコウの著しい減少が報告されていますが,日本でもこの鳥は減少していることが指摘されています。ちょっと暖かな武蔵野でカッコウが生息する環境と托卵相手の分布を合わせて調べることは,彼らの生息地の保全を考える上でとても重要な知見を与えてくれるのではないでしょうか。