ふゆみずたんぼと言えば,稲作が行なわれない冬の間水田に水をはっておくことで,ガンやカモ,ハクチョウの休息場所としても使われる場所ですが,「なつみずたんぼ」という言葉は聞き馴染みがないと思います。これは,もともと水田だった場所を麦畑にしたところのお話です。麦を育てない夏の間に水をはっておくことで,その場所がサギや淡水性のシギやチドリの採食場所に,という発想のものです。バードリサーチでは,この考えを育ててきたオリザネットと,東大の生物多様性科学研究室と連携して調査を行ないます。どんな条件であれば鳥が集まるのか,鳥たちはそこで何を食べているのか,そこに集まる鳥の場所選択や年齢による違い,農作業との水鳥保全の融合について探っていきたいと思っています。調査は,鳥のほかに水生生物や植物の調査なども合わせて行なって行く予定です。なつみずたんぼが,鳥たちにとっての新しいサンクチュアリになって行くのかどうか,ご期待ください。