広い開水面や干潟に渡来する渡り性水鳥の個体数カウントは,全体を見て回って数えることもありますが,しばしば,主要な地点から見える範囲でのカウントで代表させることがあります。また,春や秋に日本を通過する鳥や,越冬中でも雪の影響などで移動する鳥がいます。このため,空間的,時間的に個体数の変動が大きくなることがあり,生息状況のモニタリングを難しくしています。松岡さんたちは,そんな水鳥調査にひとつのアイデアを示しています。人間が頻繁に多数地点で調査することができないならば,一定間隔で撮影するインターバルカメラを用いて,半自動的に調査してはどうか,という提案です。この調査・研究プランでは,東京湾の三番瀬とその周辺にいるカモ類を対象として,インターバルカメラによるモニタリング方法の開発を行なう,としています。うまくいけば,いろいろ応用ができそうですし,潮の満ち干きに対して鳥たちがどう行動しているのか,渡りや飛び立つタイミングなどもわかってくるのではないでしょうか。