スタッフ紹介


代表 高木憲太郎
高3の時にカラスの逞しさと奥深さに惹かれて、“動物の行動や生態がどのように進化してきたのか?”ということに興味を持ち、大学院ではハシボソガラスの採食行動を研究しました。日本野鳥の会に就職した時から関わらせてもらったカワウの調査や保護管理のお仕事は、バードリサーチ設立後も引き継がせてもらい、長い付き合いとなりました。かしこく、たくましく、ちょっと抜けてるカワウは可愛いやつらです。
このほか、カラス科の鳥の調査や、森林や高山の鳥のモニタリングなどの調査活動に加えて、調査研究支援プロジェクトや鳥類学大会を企画して立ち上げ、鳥の調査や研究の輪を広げていく活動をしています。 皆さんと一緒に楽しみながらいろんな調査をして、それが鳥たちのためにもなる、そんな活動を続けていけたらと思っています。




研究員 神山和夫
ツバメかんさつ全国ネットワーク、ガンカモ調査、インターネット・バードソンなどを担当しています。
シートン動物記が好きだったので(中でもハイイロリスの話が一番好きです)、動物記の舞台を見たくてアメリカのコロラド州立大学に行きました。1993年のことです。でも学生は誰もシートンを知らず、老教授ひとりが「わしが若いころには読まれてたんだが」と言っていただけで、超有名人のはずだと思っていた私は驚きました。シートン、ロフティング、アダムソン夫妻、野生の王国に出演していたおじさん(アメリカの動物園の人らしいですが)など、70~80年代に子供時代を過ごした私は、欧米のナチュラリストの言葉を吸収して育ったように思います。




研究員 守屋年史
大学での専攻は昆虫だったのですが、学生時代はトカラ列島など南九州で渡り鳥をよく観察しに行ってました。大学院を修了した後、関西の建設コンサルタント会社に9年間在籍し、主に開発事業で問題となるクマタカ、オオタカ等猛禽類の影響評価や保全計画の策定などに関わっていました。
現在はシギ・チドリ類などの水辺の鳥や湿地環境の調査をメインに、普及のためにTORIクイズを作ったり、自動撮影カメラを使ったモニタリングなどに取り組んでいます。
自然とうまく折り合って生活するためには、身近な自然への理解と関心が必要なのだと感じています。鳥を観察した時の発見や感動を伝えて、自然への関心を高めてもらえるように活動していきたいと思います。




研究員 植村慎吾
実家の隣の池に来るカモや庭に来るヤマガラに興味をもち、近所にできた自然観察施設がきっかけで小学生のころに鳥の観察を始めました。大学と大学院では鳥の声に注目して研究を行いました。博士課程では南西諸島でアカショウビンを対象に、生息環境に応じた声の進化についての研究やGPSデータロガーを使った渡り研究をしました。
自分自身がそうであったように、身近な自然への理解と関心は周囲の人からの学習によって形成されると考えています。バードリサーチでは、身近な鳥類の基礎的な調査と解析、鳥の面白さを伝える活動や会員の皆さんと一緒に調査研究を進めることを通して自然の理解と関心の拡大に貢献したいと思います。

     


研究員 野村佳那子
一般企業へ就職したのち、自分が共感する活動を行っている団体で働きたいと思い、今まで環境保全団体や人道支援団体で活動資金を募る仕事を行ってきました。 今までの経験を生かしながら、会員の皆様と共に、野鳥の可愛らしさや不思議さ、たくましさを多くの方に伝え、その保全に関心を持つ方を増やせればと考えています。



研究員 姜雅珺 (ジャン ヤージュン)
学部時代から生物多様性を生じるメカニズムについてとても興味がありました。その後、来日してから都市の緑地や河畔を利用している鳥を観察できたことが鳥に興味をもったきっかけでした。そして、修士課程と博士課程では、主に鳥類翼の多様な形態とその形態に対応する機能について研究していました。しかし、私の実験で扱っていたのは翼標本であるため、実際に生きている鳥の飛翔行動を見てみたいと強く思うようになりました。鳥は「飛ぶ」のが当然だと思うかもしれませんが、実は不思議で、今でも鳥の飛ぶ原理がまだまだ未解明の状態です。
バードリサーチでは生きている鳥を観察することと共に鳥が飛べることの不思議さを皆さんと一緒に感じたいと思います。




嘱託研究員 植田睦之
全国に調査に行くことが多いので,行った先の各地でカツ丼を食べることを趣味にしています。いつの間にか全県制覇をしてしまったので,ちょっと趣味の幅を広げようかなと思っています。バードリサーチでは研究誌の編集と森の鳥の聴き取り調査を担当しています。


最近の論文リスト


嘱託研究員 山﨑優佑
世界中で行われている恐竜の研究から、鳥が恐竜であることは通説になりました。私は子供のころから恐竜が好きだったのですが、そのことから徐々に鳥にも関心を持つようになりました。
大学では、なぜスズメのようにホッピングを行う鳥がいるのか興味を持ち、鳥の歩き方に関する研究を行いました。
バードリサーチでは、鳥と人が共存していられるよう、分布調査や普及活動など様々なことに貢献していきたいと考えております。

  


嘱託研究員 平野敏明
生来の出不精からかそれとも学生時代にのめり込んだセグロセキレイのせいなのか、もっぱら身近な鳥たちを観察しています。特に、生息環境と鳥とのかかわりに興味を持ち、アマチュアの立場で調査を行なっています。ここ10数年はツミやチュウヒ類、サシバの生息状況や環境利用を調べるかたわら、かつて栃木県に普通に生息していたオオジシギやヒクイナ、ホオアカなどの生息状況の変化を調べています。4、5年前から英国のBTOの会員になり、その活動内容をうらやましく思っていた矢先、バードリサーチの話があり、仲間に加えていただきました。めざすは、スズメをレッドデータブックに載せること??




嘱託研究員 黒沢令子
東京の郊外生まれ。仕事で都心に暮らすうちに、東京の砂漠状態に「これでいいのか?!」と疑問がわく。幼い頃に自然を愛する目を養ってくれた小鳥達のことを思い出し、もっと彼らを知りたい、近づきたいと思ううちに研究者の道へ転向。大学院では、どの鳥はどこにすんでいて、なぜその群集として共存できるのか?という環境利用と多様性をテーマにした。興味のある鳥は順に、カラス、スズメ、ハヤブサ。翻訳書「よみがえった野鳥の楽園(1995)」、「フィンチの嘴(共訳)(2001)」、「鳥達に明日はあるか(2003)」、「鳥の起源と進化(2004)」など。




嘱託研究員 三上かつら
鳥を見始めたのは大学に入ってからです。先輩や知人の調査研究に顔を突っ込み足を突っ込んでいるうち鳥を研究したくなり、生態学の研究室に所属しました。その後、ソウシチョウ、ゴウシュウマルハシ(オーストラリア)、鳥から離れてアナグマの研究をしました。一番長く研究したのは、大学院生の時のシジュウカラです。毎日脚立片手に巣箱を見回り、浮気や血縁関係を調べました。大学を離れてからは東京の建設コンサルタント会社に在籍して、鳥をめぐる色々な価値観に出会ってきました。そしてこのたび家庭の事情で岩手県に移住。自然豊富な岩手から鳥と人と山と海と空とのつながりを捉え、発信してきたいと思います。





嘱託研究員 奴賀俊光
大学では鳥類を専門とする研究室ではなかったのですが、ミユビシギの採食生態、イソヒヨドリの繁殖生態等を研究してきました。社会人になってからは、働きながらコアジサシの保全活動を行ってきました。陸域の建設コンサルタント会社で3年、海域の建設コンサルタント会社で5年働いてきましたが、もっと鳥類に関係する仕事に就きたいと思い、2015年4月からバードリサーチに加えていただきました。
砂浜海岸という森林や干潟等よりも人気が無く(?)、知見も少ない環境をフィールドとしてきたので、その経験を活かし、砂浜にかかわる仕事ができればと思っています。


最近の論文リスト



嘱託研究員 福田佳弘
大阪府大阪市生まれ。高校 1年生から日本野鳥の会・大阪支部に入会し、探鳥会に参加していました。大学生になってからは、ウトナイ湖サンクチュアリのボランティアとして活動をし、卒業後、88年から3年間日本野鳥の会レンジャーとして、Keep清里サンクチュアリ・石川県加賀市鴨池観察館・東京港野鳥公園に勤務しました。退団後、1991年から96年まで天売島でウミラスを中心に海鳥調査と小鳥類とウトウ・ウミネコ・オオセグロカモメのバンディングを行ない、1997年から知床のウトロに移住しマダラウミスズメとケイマフリの調査を行なっています。2003年からは北方領土ビザなし専門家訪問団の一員として択捉島・国後島・色丹島で海鳥の調査を行ないました。バードリサーチと協力して海鳥の保護が少しでも進められればと思っています。




嘱託研究員 藤田薫
20年ほど,日本野鳥の会のレンジャーとして横浜自然観察の森に勤務していました。その間に,三宅島で大きな噴火が。それをきっかけに,多くの方と協力して,伊豆諸島で鳥(主にヤマガラ)の調査を始めました。その結果を,東邦大学の訪問研究員として,今,解析中です。進化の教科書にも載ってるみたいな島の鳥のあれこれ,少しずつまとめていきたいと思っています。写真は,幼児向けの観察会(しあわせな時間...)。




嘱託研究員 熊田那央
シカやイノシシなどの鳥獣害の勉強をしたいと思って入った大学で、入学直後に体験したのが被害対策で駆除されたカワウの解剖でした。鳥を全く知らず、カワウも生きている個体を見たのはその1ヶ月後という状態でしたが、実は探せば身近な場所でたくさんの種類が見られるバードウォッチングにはまり、それ以上に知れば知るほど奥深いカワウ沼にはまり、カワウ博士になるまでの付き合いです。カワウのように人と深く関わる鳥をいろいろ調べて行きたいと思っています。




嘱託研究員 シンバ・チャン(陳承彦, CHAN Sing-yin, Simba)
香港出身である私の名前は、そのアイデンティティと同じくらい複雑です。香港のマイポー自然保護区で7年間勤務し、1995年に日本に移住しました。日本野鳥の会とバードライフ・インターナショナルで東南アジアの湿地保全プロジェクト、中国の保全プロジェクト、アジアのレッドデータブックとIBA(重要野鳥生息地)の編集などに携わりました。 2015年からはバードリサーチや他の日本の研究者と協力して、アジアにおける陸鳥モニタリング計画の確立と、急激な減少種、特にシマアオジの保護に取り組んでいます。また、アジアやアメリカの海鳥保護活動家と協力して、西太平洋の海鳥、特にヒガシシナアジサシの保護に関するプロジェクトにも取り組みました。バードリサーチは鳥類のモニタリングと市民科学において豊富な経験を持っていますので、これらのプログラムで日本と他のアジア諸国を結びつけることができればと思っています。