バードリサーチ ニュース

2007年10月号 (Vol.4 No.10)

 
【 もくじ 】

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1.◆参加型調査◆ サシバの生息状況アンケートにご協力ください!
2.◆会員情報◆ バードリサーチカレンダーを作成します!
3.◆参加型調査◆ モニ1000 ガンカモ類調査ボランティア募集!
4.◆参加型調査◆ カオグロガビチョウにカラーリング
5.◆生態図鑑◆ オオジシギ
6.◆参加型調査◆ ヒクイナの生息状況調査 速報とお願い
7.◆図書紹介◆ 青森県のフィールドから
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【 概 要 】
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1.◆参加型調査◆ サシバの生息状況アンケートにご協力ください!
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○サシバの生息状況アンケート調査
 2006年12月に環境省から発表されたレッドリストでは,サシバが絶滅危惧種となりました.そこで,サシバの現状とその減少の原因を明らかにするためのアンケート調査をすることになりました.1998年にもアンケートを行なっているので,それと比較したいと考えています.日本野鳥の会,日本オオタカネットワークと岩手大学が合同で行なうこのアンケート調査に,バードリサーチも協力しています.バードリサーチのホームページから情報の送信と以前のアンケート調査の結果を見ることができます.
http://www.bird-research.jp/sashiba/

○イギリス流草地性鳥類の回復方法
 イギリスでも農業生産を効率化するための大区画化,秋撒き小麦への転換などで農地に生息する鳥たちが半減してしまいました.その保護のために,農地内に裸地をつくる試みがはじまっています.このような簡単な取り組みにより,農業の手法を変えることなく,鳥の生息地としての価値をあげることに成功しています.
 サシバについてはこんな簡単なことでは回復させることはできないと思いますが,アンケート調査から何らかのヒントが生まれれば良いなと期待しています.
【植田睦之】

◆その他掲載記事
 ・東京で見られたサシバの減少の原因

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2.◆会員情報◆ バードリサーチカレンダーを作成します!
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 来年のカレンダーを作成することにしました.このカレンダーは,会員の方限定で,事前申し込みに限り実費でお配りします.カレンダー自体が1部600円程度になる予定なので,価格はこれに送料を加えた金額になります.
 カレンダーを希望される方は,10月31日までにお名前と送付先住所,希望部数をバードリサーチインフォメーション( )までメールでお申し込みください.
 ハガキサイズの卓上カレンダーで,表紙を除いて12枚,写真は会員の渡辺美郎さんに提供していただきます.使用する写真やデザインは下記のホームページに掲載してあります.ご覧ください.http://www.bird-research.jp/1_shiryo/calendar.html
【高木憲太郎】

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3.◆参加型調査◆ モニ1000 ガンカモ類調査ボランティア募集!
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○モニタリングサイト1000とは
 重要生態系監視地域モニタリング推進事業(通称,モニタリングサイト1000; 以下,モニ1000)は環境省が2003年度にスタートさせた調査で,全国に約1000か所の調査地(定点サイト)を設定し,長期的な生態系の変化をモニタリングしていこうというものです.
 モニ1000では様々な生物群を調査しますが,鳥類については4種類の調査が行われています.バードリサーチでは,以前から陸生鳥類調査のデータ集計や分析に協力したり,シギ・チドリ類調査のためにWebデータベースの提供を行ってきました.そして,今年度からはガンカモ類調査の事務局を務めることになりました.

○ボランティアサイトを募集します!
 ガンカモ類調査では全国の主要な中継地と越冬地をカバーしています.しかし,特にカモ類は以前ほど特定の場所に集中しなくなってきているので,カバーしていない中小規模のサイトの重要性が高くなってきています.とりわけ西日本には中小規模のサイトが多いのですが,モニ1000で調査しているサイト数は多くありません.
 そこで,このような中小規模のサイトの情報を集めたいと考え,調査してくれる方を募集します.ボランティアでの参加になりますが,参加方法は,日ごろガンカモ類を観察している場所で個体数をカウントしてその結果をお送りいただくだけと簡単です.参加していただいた方には,全国のサイトの結果を集計し,ご報告します.詳しくは,バードリサーチのガンカモ類調査のWebサイトをご覧下さい.
http://www.bird-research.jp/1_katsudo/moni1000/gankamo
【神山和夫 バードリサーチ嘱託研究員】


■環境省のモニタリングサイト1000のWebサイト
http://www.biodic.go.jp/moni1000/

◆その他掲載記事
 ・同じサイトで複数の分類群の生物を調査する
 ・ガンカモ類調査の目的とデータ利用

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4.◆参加型調査◆ カオグロガビチョウにカラーリング
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○カオグロガビチョウの移動分散を調べる!
 特定外来生物に指定されているチメドリ科の鳥たちのうち,平野部に生息しているのに詳しい生態が報告されていないのがカオグロガビチョウです.知りたいことはたくさんあるのですが,私たちはまず,この鳥の移動や分散を調べてみることにしました.
 調査は,カオグロガビチョウを捕獲し,足にカラーリングをつけて,その後の移動を追跡するというものです.2007年9月に東京都のあきる野市秋留台公園の周辺にひろがる農耕地で,3羽のカオグロガビチョウを捕獲することができました.いずれの個体も右足に金属リングを,左足にそれぞれ赤,白,緑のカラーリングを一つずつ付けています.
 私たちも頑張って調査地に足を運ぼうと思いますが,彼らがどこか離れた場所へ移動してしまった場合,私たちだけで追いかけることはできません.カオグロガビチョウを見つけましたら,片岡までその情報をお寄せ下さい.カラーリングが確認できてなくても構いません.よろしくお願いします.

■カオグロガビチョウの情報の送り先
  〒669-2222 兵庫県篠山市味間南586-7
  片岡宣彦 e-mail:

***** 教えていただきたい項目 *****
1.観察年月日と時刻
2.観察場所:(住所と環境をできるだけ詳しく)
3.カラーリングの色と位置(左足,右足):
 (付いていなければ「なし」)
4.観察状況:(周りに何羽かいたか,何か食べていたか等)
************************************

○カオグロガビチョウの見つけ方
 捕獲した場所は,まとまった農耕地が住宅地に取り囲まれるように残されています.カオグロガビチョウは,こんもり茂った造園業者の植栽林やクリ林が点在するこのあたりの農耕地あるいは隣接する河川敷などに生息しています.
 ガビチョウがやぶを好み,その姿がなかなか見つけられないのとは対照的に,カオグロガビチョウは開けた耕作地や公園の遊歩道などにも採餌のために出てきます.とは言え休息の際は茂みの中に入ってしまうので,この鳥を見つけるには特徴的な大きな声を覚えておくといいでしょう.「ピッビュー,ピッビュー」と,遠くまでよく通る声で5〜6羽の群れで鳴き交わしています.鳴き声は,下記のサイトで聞くことができます.
http://www.torikan.co.jp/webgairaisyu/cont/
【片岡宣彦 ガビチョウ類研究グループ】

◆その他掲載記事
 ・特定外来生物 ガビチョウとソウシチョウ

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5.◆生態図鑑◆ オオジシギ
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○英名: Latham's Snipe  学名:Gallinago hardwickii
○分類: チドリ目 シギ科

○鳴き声
 地鳴きはゲッ,またはズビー,ズビー.地面だけでなく,木の枝や電柱の上でもよく鳴いている.繁殖期のディスプレイフライトの時は,ジッジッジッジッジーと鳴きながら旋回し,ズビャークズビャークと鳴きながら急降下する.その際,ザザザザザッと尾羽からと思われる音を発する.急降下から急上昇に入るときは,チリューチリュチリューと鳴く.

○繁殖システム
 オスは子育てと食物資源の防衛をしないとされ,空中においてディスプレイフライトを伴う集団誇示を行うレック制で乱婚.

○卵
 一腹卵数は一般に4個である.卵は灰褐色または灰白色の地に,暗褐色と薄紫褐色の小斑点が点在し,鈍端に斑点が密集する.著者の発見した巣の卵は,長径約3.7mm,短径約2.8mm,重量は19gであった.

○渡り
 春の渡りについての情報は少ないが,越冬地のオーストラリアを2月末〜3月はじめ頃に渡去する.秋の渡りは7月初めに始まり,8月15〜20日頃にピークを迎える.9月上旬に2回目のピークがあり,その後は急激に減少し,9月中に終わる.

○性的二型
 筆者は体サイズの性差とディスプレイフライトの関係について詳しく調べるために,成鳥64羽,幼鳥456羽を捕獲して,体重や体サイズを計測し,DNAから雌雄判別を行って性差を調べた.
 その結果,計測値のいくつかで性差がみられた.年齢に関係なく露出嘴峰長とふ蹠長はメスで大きく,尾羽長と外側尾羽長は,成鳥ではオスの方が長いが,幼鳥では性差がなかった.尾羽の枚数は,14,16,18枚のものがいた.そして,18枚の個体のほとんどがオス,16枚の個体のほとんどがメス,14枚の個体のすべてがメスであることが分かった.
 オスの方が体が小さく,尾羽の枚数が多く,成鳥になるとメスよりも長くなるのは,ディスプレイフライトの際に空気抵抗が増えて音が大きくなる,空中での操作性が増すなどの理由によるのかもしれない.このように,オオジシギの性的二型はディスプレイフライトに特化し,メスをより強く惹きつけるために進化したものと考えられる.
【浦達也 (財)日本野鳥の会 自然保護室】

◆その他掲載記事
 ・全長,自然翼長,尾長,露出嘴峰長,ふ蹠長,体重
 ・羽色,生息環境
 ・巣
 ・ディスプレイフライト
 ・食性と採餌環境
 ・オオジシギの現状

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6.◆参加型調査◆ ヒクイナの生息状況調査 速報とお願い
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 昨年から行なっているヒクイナの生息調査について,9月20日までに届いた情報をもとに,2年間の調査結果を簡単にお知らせいたします.
 この調査では,2006年と2007年の2年間で合計52名の方に参加していただきました.ご協力いただいた皆様にお礼申し上げます.プレイバックを用いた現地調査とアンケートによる報告をまとめたところ,2府14県で繁殖期に生息が確認され,2006年の繁殖期は合計23か所で少なくとも35羽,2007年は合計27か所で少なくとも56羽のヒクイナの生息の記録が得られました.また,現地調査の結果をもとにしたプレイバック地点ごとの平均記録個体数は,沖縄でより多く,北へ行くほど減少し,関東では他の地域と比較して著しく少ないことがわかりました.
 2年間の調査で,だいぶヒクイナの生息状況がわかってきましたが,まだまだ情報のない都道府県が多く残されています.「以前はよく見たが最近はまったく見ない」などの不在データも重要な記録です.まだ間に合いますので,情報をお持ちの方は下記のサイトのアンケート送信フォームからお知らせください.
【平野敏明】

■ヒクイナ生息状況アンケートのページ
http://www.bird-research.jp/1_katsudo/index_hikuina_question.html

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7.◆図書紹介◆ 青森県のフィールドから 野外動物生態学への招待
           佐原雄二編/弘前大学出版会 定価 500円(税別)
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 本書は,水辺の小さな魚の活動量の日周変化の研究に端を発した,佐原雄二さんと遠藤菜緒子さんの青森県のフィールドでの研究を読みやすくまとめた本です.
 河口部でゴカイを食べるビリンゴという魚は,満潮時刻になるとゴカイのとれない岸辺の浅場に移動します.捕食者であるヌマチチブを避けているのではないかと考えられます.また,そのヌマチチブは潮が引くと活動性が極端に低くなり礫の下などに隠れます.ヌマチチブは何を恐れて礫の下に隠れるのでしょうか?食物連鎖をたどっていくと,魚から鳥につながっていきます.調査はまとまった睡眠がとれない体力勝負ですが,それでもとても楽しそう.謎解きの興奮と研究対象への思いが伝わってきます.
【加藤ななえ】

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バードリサーチニュース Vol.4 No.9   2007年9月13日発行
発行元: 特定非営利活動法人 バードリサーチ
〒191-0032 東京都日野市三沢1−26−9 森美荘II−202
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