バードリサーチ ニュース
2007年3月号 (Vol.4 No.3)
【 もくじ 】
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1.◆参加型調査◆ ツバメかんさつ全国ネットワーク,スタート!
2.◆活動報告◆ バードリサーチ研究集会2007 を開催!
3.◆生態図鑑◆ シジュウカラ
4.◆研究誌より◆ ハクチョウ類やカモ類の越冬数と気象条件
5.◆図書紹介◆ カラスの常識
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【 概 要 】
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1.◆参加型調査◆ ツバメかんさつ全国ネットワーク,スタート!
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みなさんから季節前線ウォッチに届いた情報によると,今年の関東地方はツバメの訪れが早いようです.昨年の初認報告は3月後半からだったのですが,今年は1月後半に千葉県市原市の古巣にツバメのペアが戻って巣のリフォームを始めたという報告が届き,そして2月中旬にも神奈川県横浜市から初認の報告がありました.
そこでツバメかんさつ全国ネットワークの開始を例年より早めて,3月20日にホームページをリニューアルオープンいたします.
ツバメかんさつ全国ネットワークにはいくつかの調査メニューがありますが,一番人気が高いのはブログ風の観察データベース「ツバメ日記」でしょう.毎日のツバメのようすを日記に書いていくと,その位置や繁殖の進行をデータベースに記録することができます.昨年は約1300個の巣の記録をお寄せいただきました.ツバメ日記は読むだけでも楽しいものですので,観察するツバメの巣がないという方でも,ぜひホームページをご覧下さい.
ツバメかんさつ全国ネットワークは,国土交通省のGIS利用定着化事業として日本野鳥の会が実施していましたが,今年からはバードリサーチが引き継いで実施していくことになりました.たくさんの方のご参加をお待ちしています.
【神山和夫 バードリサーチ嘱託研究員】
■ツバメかんさつ全国ネットワーク
http://www.tsubame-map.jp
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2.◆活動報告◆ バードリサーチ研究集会2007 を開催!
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2007年3月4〜5日にバードリサーチの研究集会を東京都日野市の東部会館で開催しました.今回のテーマは鳥の鳴き声と録音.テーマ設定が良かったのか,今回特別講師としてお招きした松田道生さんの魅力なのか,30名の定員を超えて参加希望が集まり,キャンセル待ちが出るほどでした.
録音機材やパソコンを使った編集作業の実習があったため,あまり人数を多くすることができませんでした.参加したかったのにできなかった皆さんには本当に申し訳ありませんでした.
初日は座学で,松田道生さんによる録音の仕方の講義から,大阪市大の高木昌興さんによるダイトウコノハズクを鳴き声で個体識別して,その生態を解明しようという発展的なお話まで充実した内容でした.また,鳴き声と録音についての発表ほかにも,バードリサーチの研究報告も行ないました.
2日目は,実際に浅川の川原に出かけて録音をして,その音源を編集してみるという実習を行いました.実際に録音してみると,雑音が多いことに気がつき,編集作業でそれがなくなってきれいな音に近づいていく楽しさを発見してもらえたと思います.当日のプログラムは,こちら(http://www.bird-research.jp/1_event/2007BR.html)をご覧ください.
【高木憲太郎】
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3.◆生態図鑑◆ シジュウカラ
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○英名 Great Tit 学名:Parus major
○分類 スズメ目 シジュウカラ科
○羽色
黒い頭,白い頬,白い胸,黒いネクタイが特徴.オスのネクタイは太く長い.オスの頭は齢を重ねるにつれて光沢が増す.背はスレートグレイ.背も齢が増すにつれて色が濃くなる.
○分布
旧北区,東洋区,ユーラシア大陸の中緯度地方,インドからマレー半島,ボルネオ島,ジャワ島,小スンダ列島にかけて分布.日本では北海道から南西諸島までのほぼ全土にいる留鳥.小笠原列島や大東諸島のような大洋島にはいない.
○繁殖システム
シジュウカラは,冬は群れ,春はつがいで過ごす.巣立ち後の5月中旬から翌年の3月まで群れに出会う.年が明けると,暖かな日には冬の群れを離れてさえずるオスが見られるようになる.2月の末には群れがくずれはじめ,あちらこちらでさえずりが聞かれるようになる.早ければ3月の末に産卵が開始される.
離婚もあるが,生き残っていれば昨年の相手とつがいを組む.新しいつがい相手は,基本群や複合群の顔見知りから選ばれることが多い.基本的には一夫一妻である.
○基本群
冬の群れの核になるのは,春にその場所で繁殖したオスやメスである.そこに定着した幼鳥と他の場所で繁殖した成鳥が加わる.この冬の群れを基本群と呼ぶ.基本群のメンバーは2〜8羽で構成され,ひと冬一定である.秋が深まる頃には行動圏も一定となる.基本群は同齢集団でも血縁集団でもない.同じ場所に定着した地縁集団である.
○繁殖つがいの年齢と2回目繁殖の関係
1回目繁殖の巣立ち日と2回目繁殖を行なう割合の関係に,つがいの年齢が与える影響を調べた.両親とも成鳥のつがいでは,1回目繁殖の巣立ち日が季節が進行しても,5月末までは2回目繁殖を行なう割合は低下しなかったが,他のつがいでは季節の進行に伴って2回目繁殖の割合は低下した.特に,両親とも1才のつがいでは,その傾向は顕著だった.
遅い時期の繁殖では餌資源量の減少や捕食などのリスクの増加が考えられる.地縁性の高い成鳥と地縁性の低い若鳥では異なる判断がされているようだ.
【大堀 聰 早稲田大学自然環境調査室】
◆その他掲載記事
・全長,翼長,尾長,嘴峰長,ふ蹠長,体重
・鳴き声
・生息環境
・巣,卵
・抱卵・育雛期間
・家族群,幼鳥群,複合群と混群
・初卵日と一腹卵数
・繁殖つがい数と齢構成
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4.◆研究誌より◆ ハクチョウ類やカモ類の越冬数と気象条件
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植田睦之.2007. ハクチョウ類やカモ類の越冬数に積雪や気温がおよぼす影響.
Bird Research 3: A11-A18.
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環境省が現在も行なっているカモ科鳥類の一斉調査のデータと気象庁の気象データをもちいて解析したところ,越冬環境の厳しい日本海側の地域では,ハクチョウ類の記録数には最低気温が,カモ類の記録数には積雪が強い影響を与えていることがわかりました.
つまり,低温あるいは積雪の多い年には記録数が減少するのです.おそらく給餌への依存度の高いハクチョウ類には低温によるねぐらとなる開水面の凍結が強く影響し,給餌への依存度の低いカモ類には積雪による水田などでの採食環境の変化が強く影響するのではと考えられます.【植田睦之】
◆その他掲載記事
・全国の地域ごとの個体数の変化
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5.◆図書紹介◆ カラスの常識
柴田佳秀著/寺子屋新書 定価880円(税込)
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これまでにも何冊かカラスの本を出版している柴田さんから「今度は大人向けのカラスの本を書いたから」と言われ,どんな本かと楽しみにしていたところ,なるほど確かに「大人向け」の本が届いた.
カラスはマスコミでもしばしば取り上げられるが,時折「ん?」と思うような誤解が,裏も取らずに放送されることがある.すると,「テレビで見たんだけれど,あれって本当?」という質問がきてびっくりする.間違っていることはわかるが,なんでそんな話になったのか理由まではわからない.そんな時に,この本を読んでおくと,ちょっと鼻が高い気分を味わえる.
カラスと共存するために一番必要なのは,カラスを知ることだ.あとがきに「相手を理解し,尊重して考える大切さを本書から少しでも感じ取って」ほしいというメッセージがあった.こういう考え方ができる人を「大人」という言葉で表現したのかな,と読んでみてそう思った.【高木憲太郎】
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バードリサーチニュース Vol.4 No.3 2007年3月16日発行
発行元: 特定非営利活動法人 バードリサーチ
〒191-0032 東京都日野市三沢1−26−9 森美荘II−202
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