著者紹介

 
嶋田哲郎.1969年東京生まれ。 カモが夜,どこで何をしているか,ずっと前からきちんと調べてみたかったテーマでした。GPS-TXによってその一端がわかり,その威力のほどを実感しました。いろいろなカモに付けてもっと追跡したいと考えています。写真は研究の機会をくれた植田さん(右)とデータをくれたマガモ。
植田睦之.1970年東京生まれ。今回は伊豆沼で行なったハクチョウの調査について公表することができました。GPSデータはこれまでの衛星追跡やテレメトリー調査と比べて詳細な情報を得ることができます。まずはデータを公開しましたが,いろいろ解析しつつほかの論文にもまとめられたら,と思います。
ぼくは,各地に調査に行くと,鳥だけでなく,カツ丼の調査もしています。写真は今回の伊豆沼での調査の合間に行った食堂でカツ丼の記録をとっているところ。
三上かつら.バードリサーチ研究員。伊豆沼での作業は寒かったですが,とても楽しかったです(写真) 。
ベランダバードウォッチの論文は,「ザ・都市鳥」って何だろう,という疑問が発端でしたが,どんな切り口でこれを形にするか難儀し,迷走し,ようやくひとつの着地点に降りることができました
。 これで,テレビ番組の住宅地の場面で鳥の声が聞こえたとき,ああちゃんと住宅地で録音した(or してない)んだろうな,と想像する楽しみが増えました。
平野敏明.バードリサーチ研究員。子供の頃に慣れ親しんだヒクイナが忘れられず,おもに渡良瀬遊水地で湿地性の鳥のモニタリング調査をしています.3月下旬から6月にかけては,週に1,2度,車で1時間かけて渡良瀬へ出かけています。季節が進むにしたがって,3時起きが1時起きに。それでも,暗闇の湿原での調査は日中とは一味違う面白さがあり,止められません。お蔭で寝不足の日々がもう少し続きそうです。
山路公紀.北海道生まれ。神奈川県内の社内ボランティア「野鳥の森プロジェクト」を指導する中で,自然と人の関係について考える様になりました。自然の中で暮らしたいとの思いが募り,八ヶ岳南麓に移り住む。2010年夏,日本野鳥の会諏訪支部の林支部長に誘われて,2人でジョウビタキの繁殖調査を始め、今回、八ヶ岳とその周辺について8年間の継続調査の結果を発表させていただきました。これが全国的な調査と自然保護に繋がってゆくことを願っております。
佐藤重穂.大阪生まれ,東京育ちですが,茨城,熊本,高知を経て,2年前に札幌へ転勤になりました。北海道でトドマツ人工林の調査に明け暮れる日々を送っています。
濱田哲暁.1959年高知県生まれ。ひょんなきっかけから大学時代に生物調査の世界に入る。現在は地元中心に環境調査の仕事と,日本野鳥の会高知支部やNPO団体の活動に関わって生物調査を続けています。
谷岡 仁.高知県に住んでいます。仕事の傍ら小動物や鳥類などの地域の自然情報を集めています。鳥類はまだまだ勉強の日々です。
菊地デイル万次郎.アメリカで生まれただけの,日本語と秋田弁のバイリンガル・ポスドクです。海鳥を中心に,鳥類と哺乳類を対象に研究しています。
動物の動きや形が持つ”美しさ”を客観的に記述できる研究者を目指して修行中です。本論文では解析と執筆で少しだけ,お手伝いさせていただきました。
酒井淳一.その奇妙なハエに初めて出会ったのは,小学生の時。校舎に迷い込んだイワツバメを保護した際に,羽と羽の間を素早く動く姿を目にした時でした。以来,バンディングに参加していた時も,野鳥の救護施設で働いていた時も,羽の間からこの奇妙なハエが出てくるたびに心が踊りました。
野鳥ももちろん興味があり,特に猛禽類が好きで,子育てが始まる以前は,よく観察や調査に行っていました。今回,縁あって猛禽類とシラミバエの両方に関わる報告をすることができ,とても満足しております。貴重な機会を与えていただいた方々に深謝いたします。
久野公啓.春は青森県龍飛崎,秋は長野県白樺峠に長期滞在して渡り鳥を数える生活が定着。現場では顔馴染のカラスやカラ類とのやりとりが何よりの楽しみ。彼らが隠し持っているヒトとのコミュニケーション能力の高さには驚かされる。
堀田昌伸.ハチクマ,サシバ,アカモズなど絶滅が危惧される鳥類について,共同研究者と生態調査や保護保全について取り組むとともに,高山帯のシンボル,ライチョウの温暖化影響予測を北アルプス中南部で森林総研等と共同で実施。現在,過去から将来にわたるライチョウの分布変遷を明らかにし,適応策の検討をおこなうプロジェクトに参画。