著者紹介
平田祐介
.北海道在住。北海道教育大学函館校で三上先生の下でスズメやカラス等について学んでいました。その中でも私がカラスを研究対象とした背景には、人間が出したゴミ袋を漁り、中のゴミを食べているのをよく見かけるということが挙げられます。その現場を見たことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?私が実際にその場面に出くわして驚いたことは、カラスが足を器用に使ってマヨネーズの容器を掴み、中身を出して食べていたことです。調査を通して、改めてカラスの賢さを感じました。写真は、北海道教育大学函館校の卒業式での写真です。
三上 修.
1974年松江市生まれ。北海道教育大学函館校勤務。今回の研究は4年生の卒業研究としてやりました。函館のごみ収集の仕組みは本州から来た立場で見ると変わっていて面白いです。カラスも本州と違っていて、あまり人を恐れていないようです。飛び立ち距離が明らかに近く、1mくらいで飛ばないことは普通にあります。すこし人に慣れすぎているかもしれません。もう少し適切な距離の方がお互いにとって良い気もします。写真で島のように見えるのは函館山です。
多田英行.
1985年岡山県生まれ。チュウヒのねぐらに立ち入った時に寝床環境の快適さに感動してからというもの,機会をみては細々とねぐら調査を続けています。調査を重ねるごとにチュウヒのねぐら環境の多様性に驚くと共に,その奥深さに更なる魅力を感じています。
写真は長年調査を共にしてきた相棒との一枚。彼の引退に本稿を捧げます。
植田睦之
. 1970年東京生まれ。今年からバードリサーチとその他団体との共同調査「全国鳥類繁殖分布調査」がはじまります。繁殖鳥のなかで過去から大きく分布が変わっていそうな鳥の1つがリュウキュウサンショウクイです。飛んでいるところを観察することが多く,なかなかじっくり見ることのできない鳥ですので,声での識別が必要です。この論文が識別の参考になるとよいなと思っています。
リュウキュウサンショウクイは南関東でも見られるようになってきていて思いがけないところにいる可能性もあります。ご注意を!
写真は出張先で調査のための「ルーティーン」をしているところ。
関 伸一
. 1971年静岡県生まれ。トカラ列島でアカヒゲの研究をはじめてから気づけば20年が経ちました。不器用な私は研究を多彩に展開するのは苦手ですが,お陰でアカヒゲにだけは詳しくなりました。越冬中のアカヒゲを観察するのにおすすめのポイントは意外にも竹富島。石垣市街からのアクセスが良く,地鳴きに注意して探せば集落近くのギンネムの林でも案外たくさんのアカヒゲが見つかります。
姉崎 悟
. 1974年生まれ。愛知県在住。以前は鹿児島や沖縄の島々を巡るのが好きでしたが,地元の島をもっと知ろうと思い,篠島を訪れるようになりました。篠島は程よい大きさで歩きやすく,しらす丼と,玉屋のから揚げがとてもおいしい島です。
今後は同じ三河湾内にある日間賀島や佐久島にも足を運んで,鳥類相を比較できたらと思います。写真は篠島の前浜にて。
高橋雅雄・磯貝和秀・古山隆・宮彰男・蛯名純一
.NPO法人おおせっからんどは、オオセッカをはじめとした湿性草原棲鳥類の調査研究と、青森県三沢市のラムサール条約登録湿地「仏沼」の保全活動を行っています。最近は、オオセッカの越冬状況について調査を進めており、日本各地で冬のオオセッカ探しをしています。関東地方での調査は今季で一応終了し、次は東海地方に対象を移す予定です。オオセッカの情報がありましたら御一報ください。写真は左より宮・古山・高橋・蛯名・磯貝。
福田篤徳
.1968年生まれ。茨城県在住。日本野鳥の会茨城県所属。生態が不明な鳥類を中心に声の録音などに励んでいます。カンムリカッコウのさえずりを聞いた時は、何の声か全く想像できませんでした。とはいえ、共著者達のお陰で無事同定でき、皆で不明なものを明らかにするという楽しい時間を過ごせました。
池長裕史
.1953年和歌山県うまれ。福岡県久留米市田主丸(たぬしまる)在住。定年退職後は九州で鳥見しながら暮らしたいと、20年以上住んでいた茨城県つくば市を離れ早や4年目。関東とは異なる鳥たちとの出会いに日々楽しんでいます。特に有明海のシギ、チドリ類、ツクシガモ、ズグロカモメの規模には圧倒されています。家の前の電柱にカササギが営巣していたり、散歩していたらヤツガシラに出会ったり、田主丸は"たのしまる"です。
伊丹英生
.1968年生まれ。愛知県在住。海鳥と離島中心に鳥見を楽しんでます。
片山秀策
.1949年北海道生まれ。日本野鳥の会茨城県所属。ボランティアで県内のカモ、シギ・チの渡りの調査をしていましたが、今は調査は卒業して探鳥会のお世話と気まぐれバードウォッチングを楽しんでします。
小山慎司
.1956年大阪市生まれ。奈良県在住。舳倉島に通いだして早37年、島の環境は大きく変わり、渡り鳥の種類も数も変わってきています。観察者も様変わり、識別は出来ないが、写真に写ってる状態。写りの悪い写真では識別出来ない場合も多いんですよね〜ぇ。困ったものです。
深川正夫
.1年半ほど遊んで暮らしていました。昨年は毎月旅行で、特に北海道は5回行きました。カメラはずっとニコンでしたがキャノン、ソニー、パナソニックにも手を出して、さすがにお金がなくなったのでまた働き始めました。
前田崇雄
.1959年2月生まれで、12歳から鳥を見始め気づけば早45年も見ていますね。その間には、発表に価する観察も多々あったように記憶していますが、論文化に対して多大な億劫を感じる性格の持ち主でもあります。今回のように、同時に観察された方に論文化していただいて共著者になれる機会は、私にとって理想的な事態です。主著者に感謝多謝です。
三上かつら
.今回、多くの方のお力を借りしてサンショウクイの音声についてまとめることができました。ありがとうございました。ピリリリ〜と鳴いているのが、サンショウクイかリュウキュウサンショウクイか、よくわからないときなど、この論文の判別法を参考にしていただけますと幸いです。そしてよろしければ、サンショウクイプロジェクト(http://www.bird-research.jp/1_katsudo/sanshokui/)へ、その記録をご報告をいただけると嬉しいです。よろしくお願いします!
写真は出雲のかつらうさぎとうさぎ年の著者。
大澤剛士
. 国立研究開発法人農業環境技術研究所主任研究員。生物多様性情報学という比較的新しい(怪しい)分野を専門とし、生態学と情報学の境界付近をうろうろしています。標本や観察情報をはじめとする生物情報データベースを整備し、それを活用して生態学研究に取り組むというのが主なスタイルです。研究対象は植物だったはずなのですが、共同研究者に恵まれて哺乳類、昆虫類、両生類、淡水貝、陸貝と対象を広げ、近年では鳥にも手を出しています。
和田 岳
. 大阪市立自然史博物館学芸員。大学院生の頃、大学構内でキジバトの繁殖を調べていました。博物館では、大阪の都市公園で繁殖する鳥や、ヒヨドリと果実の関係などを調べています。鳥類以外に、両生爬虫類や哺乳類も担当しているので、カエルやシカの観察会をすることもあります。調査プロジェクトでは、淡水貝や水草、海浜甲虫など、さまざまな生きものを探していたりします。
今年は、カラスの枝落とし行動、大阪府周辺のソウシチョウの繁殖分布、関西のリュウキュウサンショウクイ情報を気にしています。数年後には、関西の駅ツバメを再び実施したいと思っています。日本全国規模でできるといいですね。